中学校 理科 1年 【1-2身のまわりの物質 読み物 (p.123)】

電気を通すプラスチック

プラスチックは,ふつう,電気を通さない物質です。しかし,2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士は,1977年に,電気を通す特殊なプラスチックをはじめてつくりました。
白川博士はポリアセチレンというプラスチックを研究していました。ポリアセチレンは,ほとんど電気を通しませんが,臭素やヨウ素を少し加えると電気を通すようになることを発見したのです。
この特殊なプラスチックは,軽くて加工しやすいため,携帯電話のタッチパネルや電池など,さまざまなところで利用されています。

金ぱくの利用

金ぱくは,金をたたいてうすく広げてつくります。金は金属の中でも特に展性が高く,1cm³の金から約10m²の金ぱくをつくることができます。その厚さはわずか0.0001mmほどです。
金はさびにくく,見栄えがよいので,金ぱくは昔から工芸品,仏像,建築物などの表面にはるなどの利用をされています。

アルキメデスと王冠

紀元前3世紀,ギリシアのアルキメデスは,国王から職人に作らせた王冠が純金であるかどうかを調べるよう依頼されました。それは,職人が国王から渡された金に銀を混ぜて,混ぜた重さ分の金をぬすんだといううわさを国王が耳にしたからでした。
アルキメデスはなかなかよい方法がわからないまま,ある日,町の共同浴場に行きました。そこで,浴そうにからだを沈めたときにあふれ出る湯を見て,すばらしい考えが浮かびました。
彼はうれしさのあまり「エウレーカ!(みつけたぞ!)」とさけび,はだかのまま家にとんで帰り,すぐに実験にとりかかりました。
彼は,まず,王冠と同じ質量の金のかたまりを作り,水を満たした容器に入れて,あふれ出る水の量をはかりました。次に,同じようにして王冠も調べました。「もし,王冠が純金ならば,金のかたまりを入れたときと同じ量の水があふれ出るはずだ」と彼は考えました。ところが,あふれ出た水の量は王冠の方が多かったため,職人が金に混ぜものをしたことがわかったのです。
銀の密度(10.50g毎立方cm)は,金の密度(19.32g毎立方cm)のおよそ半分ですから,銀が混ざっている割合が多いほど,王冠の体積は,同じ質量の純金の体積よりも大きくなることになります。


捨てる水溶液に注意!

私たちは,毎日,水を使って生活しています。私たちは主に川の水を水道水として利用し,使用後は川や海に流しています。
台所やふろ,洗たくなどで使われた水には,いろいろな物質が混ざったり,溶けたりしています。その中には有害な物質や,川や海をよごす物質もふくまれています。川や海がよごれると,そこにすむ魚などの生物がすみづらくなり,人間にとってもすみにくい環境になります。
水溶液は,うすめても溶けている溶質がなくなるわけではありません。このため,私たちの学校や家庭,工場からの排水が,川や海などをよごさないように気をつける必要があります。
また,実験で使った薬品もそのまま捨てたりしないで,先生の指示にしたがって捨てましょう。

水溶液の濃度 ppm

水や空気,食べ物などにごくわずかにふくまれることで,環境や健康に悪い影響をあたえる物質があります。ごくわずかな物質がどれくらいの濃度でふくまれているかを表すときにppmが使われます。
ppmは百万分率のことで,百万分率の英語表示「parts per million」の略です。水溶液で1ppmの濃度とは,水溶液100万g(1000kg)中に1gの溶質がふくまれているということです。質量パーセント濃度で表すと0.0001%になります。

海水から塩を取り出す

●海水は水溶液
海水はいろいろな物質が溶けこんでいる水溶液です。いっぱんに海水1kg中には,約35gの塩化ナトリウムなどの物質が溶けています。


●日本の塩づくり
日本では古来海水から塩をつくってきました。日本は四方が海に囲まれているので,塩づくりは簡単そうにみえます。しかし,たった30gの塩をつくるにも1kg近い海水を蒸発させなければなりません。
そのため,効率のよい方法として,海水をそのまま煮つめるのではなく,いったん濃い塩水をつくり,その濃い塩水を煮つめて塩の結晶を取り出すという方法がとられてきました。

都市ガスとプロパンガス

私たちの家庭では,都市ガスやプロパンガスが使われています。都市ガスは,天然ガスのメタンを主成分とし,配管を通して各家庭に供給されます。プロパンガスはLPガスともよばれ,プロパンが主成分で,ガスボンベで供給されます。
都市ガスもプロパンガスも,燃えると二酸化炭素と水ができる有機物です。
都市ガスは空気より密度が小さいため,ガスがもれたときは高いところにたまります。プロパンガスは空気より密度が大きいため,ガスがもれたときは低いところにたまります。
このため,ガスがもれたときの警報器は,都市ガスの場合は天井の近くに,プロパンガスの場合は床の近くに設置されます。
また,都市ガスもプロパンガスも本来においはありませんが,ガスがもれたとき,すぐに気づくようにあえてにおいがつけられています。

温度目盛り

水は融点が0℃で沸点が100℃というのは偶然なのでしょうか。
実は温度計に使われている温度目盛りは,水の性質を利用して決められました。氷の入っている水の温度を0℃,沸とうしている水の温度を100℃と決めて,その間を100等分した1目盛りを1℃の温度差としました。
液体温度計では,液体に灯油などを使用しています。温度が高くなると,液体の体積が大きくなる性質を利用して,液体の体積の変化で温度をはかっています。


石油の蒸留

地中からくみ上げられた石油は原油とよばれ,沸点がちがういろいろな有機物が混ざった混合物です。
石油精製工場に運ばれてきた原油は,ガソリン,灯油,軽油,重油などのさまざまな石油製品に生まれ変わります。
石油精製工場では,原油を350℃に加熱して気体にし,蒸留装置(精留塔)の中にふきこみます。蒸留装置は,図のように,内部が複数のたなでしきられています。この中にふきこまれた原油は冷えて液体になります。このとき,液体になる温度(沸点)が高い有機物は下のほうのたなで,沸点が低い有機物は上のほうのたなで液体となります。
このようにして,沸点のちがいによって,原油から有機物を分けて取り出しています。



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